道路工事や建設現場において、交通誘導は市民の安全を守るために欠かせない業務です。
特に片側交互通行は、限られた道路幅を効率的に活用しながら、車両の安全な通行を確保する警備業務になります。
片側交互通行とは、道路の片側が工事などで通行できない場合に、残った片側の車線を対向車が交互に通行する交通規制方法です。一般的には警備員が道路の両端に配置され、誘導棒を使って車両の停止・進行指示を行い、片側のみの車線を車両が交互に通行できるよう誘導します。
しかし、交通誘導の知識と経験が不足している方が片側交互通行を行うと、思わぬトラブルが発生してしまうこともあります。
30年以上の警備業務の経験を持つ弊社の知識と経験を基に、お客様に信頼していただける片側交互通行誘導を行うための8つのポイントをご紹介いたします。
現場の道路状況と交通量の把握
片側交互通行を適切に行うには、まず現場の道路状況を正確に把握する必要があります。道路の横幅や見通しの良さ、車両と歩行者の交通量などをよく観察し、必要な警備員の数、機器、用具などを検討する必要があります。
もちろん、夜間に交通誘導を行う際には、通行量の変化はないか、ドライバーや歩行者から見えにくくなることはないかなども確認する必要があります。
このように現場確認を適切に行うことで、安全で無理のない片側交互通行を行うことができます。
警備員の配置と連携体制の確認
片側交互通行では、複数の警備員が連携して業務を行うケースが多くなります。各警備員がどこに立って誘導を行うかを決め、必要に応じて無線機などを利用し、複数人が連携して片側交互通行を行います。
もちろん、片側交互通行に必要な人数だけでは、休憩を取ることもできないので、適切に休憩、食事が取れるよう人員を準備しておくことも重要です。
また、国道などの幹線道路で交通誘導を行う際には資格保有者(交通誘導警備業務検定2級以上)が必要になるので、注意が必要です。
適切な機器・用具の選択と準備
安全に片側交互通行を行うには、必要に応じて仮設信号機、カラーコーン、標識などを利用することがポイントです。
このような機器や用具を効果的に利用することで、警備する方の負担を減らし、スムーズな片側交互通行が行えるようになります。
もちろん、夜間であれば暗闇でも目立つ反射材が付いたベストや光る誘導棒、夏場の暑い時期であれば、空調ベストなども必要になります。
現場に応じてしっかりと準備を行うことで、安全に無理なく交通誘導を行うことができます。
車両の待機時間の最小化
片側交互通行では、車両の待機時間を最小限に抑えることが重要です。交通量や車両の種類に応じて、適切な通行間隔を決める必要があります。
ラッシュアワーなどの混雑時には、より短い間隔で車両を通行させる一方、大型車両や重機が通行する際には、安全を最優先に十分な間隔を確保します。
このように状況に応じて柔軟に交通誘導を行うことがポイントになります。
緊急時対応の事前準備
イレギュラーな対応が発生した際に、どのように対応するかを事前に決めておき、警備員に教育しておくことも重要です。
片側交互通行中に緊急車両が通行する場合は速やかに、優先的に通行させる必要があります。
また、車両の接触などのトラブルが発生した際にも、どのように対応するか事前にマニュアル化しておくことで、トラブルを迅速に収束し、現場を正常化することができます。
歩行者・自転車への安全配慮
片側交互通行では、車両だけでなく歩行者や自転車の安全にも十分な配慮が必要です。
歩行者や自転車の迂回が必要な場合には、早めにどのように案内するか決めておく必要があります。
特に学校や病院、商業施設の近くでは、ご高齢の方やお子さんが通行する機会も増えますので、丁寧な交通誘導を心がける必要があります。
悪天候と熱中症への対策
片側交互通行は屋外で行うことがほとんどなので、その日の天候をしっかり確認したうえで準備することが重要になります。
天候が悪くなる場合にはカッパなどの雨具が必要になりますし、夏の暑い日には空調ベストも必要になります。
熱中症の危険性が高い場合には、水分、塩分補給が適切に行えるようにすることも、警備員の方の健康管理の点からも極めて重要になります。
基礎知識の習得と定期的な研修の実施
片側交互通行を行うには、誘導棒や無線機の使い方など、交通誘導における基本的な知識が必要になるので、現場に出る前にこれらの基礎知識をしっかり教育しておくことが重要になります。
また、ヒヤリハット事例の共有、トラブル時の対応方法などを定期的に教育する時間を確保することで、質の高い交通誘導、片側交互通行が行えるようになり、トラブルを未然に防止できるようになります。
まとめ
交通誘導における片側交互通行は、道路工事や建設現場において安全性と効率性を両立させるための重要な業務です。
現場の特性を理解し、適切な準備を行い、連携体制を構築することで、交通渋滞を最小限に抑えながら、すべての道路利用者の安全を確保することが可能になります。
弊社カルテックでは、30年以上警備業務に携わって参りました。
交通誘導に関するご相談は、どうぞお気軽に弊社までお問い合わせください。